小学校6年生 秋①
(ダークな内容です。閲覧注意。)
わたしが育った実家は
14階建ての14階。
勿論、エレベーターを利用しなければ
家には帰れない。
(階段を使えば帰れるけど
そんな選択肢はまだなかった。)
いつも通りの学校帰り。
いつものようにエレベーターに乗った
わたしが立った位置は、出入り口付近。
わたしの後から乗ってきた
中学生~高校生くらいの男の人は
11階を押して、エレベーターに乗り込んだ。
見かけることのない人だな。
集合住宅だから見かけなくても当然か。
そんな感じでぼんやりと
エレベーターが到着するのを待っていた。
ピンポーン。
11階到着を知らせる音と共に
エレベーターが止まった。
11階で降りる男の人を避けるように
わたしは入口付近を更に開けようと
身をよじったと同時くらいに
後ろにいた男の人に羽交い締めにされ
右手で口を塞がれた。
指ぬき手袋をはめ
左手にはカッターナイフを持ち
「騒ぐな。降りろ。」
とわたしをエレベーターから押し出した。